バリ島プラガ地区にある小さな村BON(ボン)。中心地から片道3時間道なき道を進むと、コーヒーの木が次々と植えられたジャングル地区に入ります。そのまた奥にある敬虔なバリヒンズー教徒が暮らすBON村で、DiBON KOPIは生まれました。地域面積が小さく生産量が少ないためコーヒー名産地として政府に認められず、サポートを受けられないこの地区で、ここの土壌でしか育たない素晴らしいコーヒーの実を匠の技術で丁寧に精製する小農家さんたち。彼らはほぼ手作業で、ひっそりとコーヒー作りを続けていました。DiBON KOPI代表の大西雄季がコーヒー探しの旅で立ち寄ったBON村で、4代目コーヒー農家のパック・スラマットと出会い彼らの置かれた現状を知り、スタートしたプロジェクトがDiBON KOPIです。品質認証の問題や複雑に絡まった流通経路のせいで、これまで外国に出ることが無かった匠たちのコーヒーを「飲む人」たちに直接届けたい。そんな想いを実現するため、彼らのコーヒーをスペシャルティ品質に引き上げ、適正価格で海外の人たちにダイレクトに届けるプロジェクトです。


Indonesia

私たちのコーヒー物語は、南国の楽園バリ島から始まりました。すべての始まりから5年ほど経った頃、私たちは秘境に残ると言われるアラビカ種の原種や希少種や、表舞台に出ることなく真摯にコーヒー作りと向き合う匠たちと出会うため、バリ島以外の島々を巡り始めます。ある時は山の中腹に沿って作られた道なき道をオンボロのスクーターで何時間も迷いながら走り、またある時は地元の人たちと乗った乗合バスで事故に遭い山の中で立ち往生したり、冷水しかない地域の農園で泥だらけになり震え上がりながらシャワーを浴びて熱を出したり、いろんな事がありました。多くの出会いと別れを繰り返し、今はインドネシア4島の宗教、言語、文化すべて異なる匠たちと一緒に、私たちにしか作れない特別なコーヒーを作っています。